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パブリックコメントできました! [所長の部屋]

宿題できました。
夏休みの宿題は9月になってからとりかかる子でしたが、最近は期限に間に合わせることができるようになったようです。
以下全文ですので、お暇な方はどうぞ(長文ご容赦ください)

・全体を通じての意見
@障害者の権利条約が批准されたことを踏まえ、第3期の障害者プランはこの権利条約が求めるものを満たす施策群となるべきである。同様に、障害者プラン以外の各種行政計画についても権利条約の内容を反映したものとすべきである。
@素案策定までのプロセスに当事者の意見を反映しようという取り組みは1・2期に比べ前進していると感じる。しかしまだ当事者の意向がプランに充分に反映されるまでには至っておらず、今後のプロセスには一層の当事者の参画が必要である。策定後の評価プロセスにおいても同様に当事者の参画が求められる。その際には特に『質問―回答』という形でコミュニケーションを図ることが不得手で自分の希望や要望を言語化して表現することが困難な知的障害者の特性に充分に配慮するべきである。
@テーマ1~5という構成が当事者のライフステージに沿って必要な支援を網羅する計画となっているのか不安である。
@障害者プランは当事者のニーズを満たすための計画であるから、各種の数値目標についてはこれを達成すれば少なくとも現在明らかにされているニーズが解決するだけのものとされるべきである。
@障害児者の自立・自己実現は『福祉』およびそれに関連する領域の施策のみによって達成されるわけではなく、ハード・ソフト両面にわたる街づくり・人づくりの視点が欠かせない。素案の中にすでに他計画との関係性については説明されているところだが、更に幅広い視点に立って他計画との協業を望みたい。
@財源不足が喧伝されるが、プランに述べられている当事者のニーズはどれも誰もに等しく保障されて当然のことがらであり、そこに財源論を持ち込むのは人権軽視である。


・個別の項目についての意見

@将来にわたるあんしん施策の継承について
将来にわたるあんしん施策は現金給付であった在宅障害者手当を廃止してサービスの拡充に振り向けたものであるから、在宅障害者手当相当の予算額を確保することは在手を廃止する際の当事者・家族との約束である。『施策全体の視点へと継承』という考え方も大切であるが、当事者・家族の付託の上にあんしん施策が成立したという経緯を軽視することなく、きちんとした予算の裏付けを持った施策群として施行を進めて欲しい。

@1-1 普及・啓発について
この部分からは、前提条件として障害児者と健常児者が分かれているという発想が感じられる。『出会う』、『交流』といった方向性はかえってそのような不自然な分離・隔離を固定化することにつながるのではないかと危惧している。そもそも学校においても地域社会においても同じ場で共に生きていれば『出会う』場や『交流する』場をことさらに強調する必要性はないはずであり、そのようなインクルーシブな教育/社会を築くことが本来あるべき啓発の姿である。

@1-2 相談支援について
国に先駆けて重層的な相談体制を築いてきたことは大いに評価できることであるが、後見的支援制度や自立生活アシスタント事業、成年後見制度なども含め「どの困りごとをだれに相談すればよいのか」についての混乱をもたらしており、当事者や家族がわかりやすく使いやすい体制へと整理すべきである。特に計画相談については当事者・家族にとってその意義や重要性が周知されておらず、“従来のサービスが利用できなくなるのではないか”などの不安が日中事業所に寄せられている。また、相談体制が強化される一方で区役所の窓口担当のケースワーカーの力量不足が深刻化してきている。現在の区役所のケースワーカーの人数は適正配置には到底不足しており、援助技術としてのケースワークが機能する状況にない。相談体制がどのように整ったとしてもやはり当事者・家族にとってはケースワーカーの存在は重要である。相談体制の整備とともに、区役所の窓口機能の強化も重要な課題ととらえていただきたい。そもそも相談支援は素案におけるテーマ1~5のすべてに関連することであるから、独立したテーマとして扱うべきである。
また、自立支援協議会については活動の内容や実効性について区によって差が大きい状況である。これまでの実践の中で有効であった取り組みなどを市域で共有するとともに当事者の参画する部会の設置など、定型的に市がモデルを示す必要があると考える。

@1-3 情報の保障について
情報の保障の重要性は言を俟たないが、そもそも情報の保障について謳ったこのプランの素案すら当事者にとって分かりやすいものとする工夫がほとんど見られない。文言にある“生涯特性を踏まえた情報が等しく保障される”ための真摯な努力を望みたい。

@1-4 災害対策について
東日本大震災において障害がある人の死亡率はない人の2倍であったという。災害時要援護者対策は重要な課題である。障害ゆえに避難所での避難生活を送ることをあきらめざるを得ない当事者・家族を作らないためにも、まずは地域防災拠点において必要な個別の配慮がなされる仕組み作りが求められている。そのうえで、現在は二次避難所として位置づけられている特別避難場所について、重度心身障害児者や強度行動障害など『明らかに地域防災拠点で避難生活を送ることが困難であると思われる当事者および家族』については直接特別避難場所に避難する道筋を考えるべきである。また、災害時には避難者を受け入れる障害福祉施設においては極端なマンパワー不足に陥ることが容易に想像されることから、医療分野におけるDMATのような仕組みを創設して人材確保を図ってはどうか。

@2-1 住まいについて
グループホームは当事者の生活の場として必要不可欠のものであるが、現在は圧倒的に数が不足しているうえに人員配置の体制も脆弱である。これによって『障害が軽い人はグループホームに入居できるが重い人は入所施設の待機者となるしかない』という差別が生まれている。居住の自由は憲法にも権利条約にも保障されており、障害の程度にかかわらず自分が望む暮らしを選べるだけの量的・質的整備が必要である。数値目標の設定に当たってはそのことを踏まえ、ニーズを満たすことのできるものとすべきである。あわせて施設入所者の地域移行についても、“地域の実情に応じて”という消極的な発想ではなく、入所施設が本来的には望ましくないという前提のもとに積極的な推進を求めたい。入院中の精神障害者の地域移行にあたっては病院の敷地内にグループホームなどを設置することは認めるべきでない。

@2-2 暮らしについて
法人型地域活動ホームの整備が完了した一方で機能強化型地域活動ホームは老朽化が進んでいるとともにショートステイや一時ケアなど基本設計の段階では想定されていなかった機能を担っている。法人型と比べても長いスパンで地域ケアの核としての役割を担っている強化型地活について、その求められる役割にふさわしいハード面での再整備が必要である。市はかつて障害者支援センターも含めた強化型地活の在り方検討の中で“連結・連合をしたところについて建て替えを検討する”と明言しており、その見当が前向きに進むことを望む。
短期入所(地活のショートステイを含む)については経営上の必要から早い段階で定員が埋まってしまう。空きを求めて1週間単位で“たらい回し”という非人間的な状況は早急に改善される必要があり、緊急時に必要な人が必要な期間利用することができるような体制を整えるべきである。
自立生活アシスタント、後見的支援制度の両事業については当事者からするといずれも『見守り・相談』という位置づけであることから、相談体制の再構築の一環として整理し直す方が有効ではないか。

@3-1 健康・医療について
健康の維持・増進のためには普段の暮らしの中できちんと健康状態を把握し、ちょっとした体調不良で気軽に受診できることが大切である。特に不定愁訴などを訴える力が弱い知的障害者にとっては、健康診断を定期的に受けることが重要であり、そのことをプランに盛り込むとともに施設への出張健診などについて柔軟な対応を望みたい。また、入院・通院には家族や通・入所、グループホームなどの事業所職員が大きな役割を果たしているケースが多い。入院時コミュニケーション事業はそのことを踏まえてできたものと理解しているが、これは通院時にも適用を拡大すべきと考える。上記の家族・支援者は単に移動に付き添っているだけではなく、症状や訴えを医療関係者に伝え、治療方針や診断を当事者に伝えるという大切な役割を担っており、そのことは現在のヘルパー制度では対応できないということを理解してほしい。

@3-2 バリアフリーについて
福祉のまちづくり条例は重要な規定であるが、画一的に適用することで却って当事者の地域生活を阻害しかねない状況である。特に今後ニードが激増すると想定されている発達障害者の日中活動の場の確保は急務であり、認可外保育施設同様に面積による除外規定を設けて当事者のニーズに応じてきめ細かい支援を提供できる小規模事業所の設立を促すべきである。

@3-3 権利擁護について
権利侵害や差別・虐待は水際で阻止することも必要であるが、根絶するためには『誰もが重んじられるべきである』という理念が当たり前の前提として広く市民に共有されることが大切である。教育・啓発との一体的な取り組みを望みたい。
『意思決定支援』という概念は日々更新されており、日本の成年後見制度はすでに国際的には課題の多い制度と評価されている。このことを踏まえ、国に先んじるような権利擁護の取り組みを期待する。

@4-1 療育について
療育の初期においては虐待防止の観点からも家族支援は非常に重要である。素案にも触れられているが、さらに注力した取り組みが必要と考える。そのことと関連し、地域療育センターの受診待機の問題も療育における最重点課題である。
障害特性に応じた療育の必要性は言うまでもないが、そのことが隔離の方向に向かうのは本末転倒である。保育園・幼稚園、義務教育や学童保育など乳幼児・学齢期の各場面でインクルーシブな環境整備を進めることをまず前提としつつ、個別のニーズには専門機関が対応するという発想に基づく制度設計を望む。

@4-2 教育について
インクルーシブ教育の重要性はすでに述べたところであるが繰り返しておきたい。教育を受けることは権利を学ぶ権利として大変重要であり、誰もに保障されるべきであるにもかかわらず、教育の場が整備されても肝腎の通学についてはいまだ支援が不充分で、特に重度心身障害児の通学は大変な状況である。移動支援・スクールバスの充実などを通じ早急に解決すべき課題と考える。かつては『就学免除』という名目で教育を受ける権利を剥奪されていた当事者が多数いたことを肝に銘じるべきである。

@4-3 人材確保について
福祉分野の人員・人材難の背景に労働条件の悪さがあるのは明白である。小手先のプロモーションやイベントよりも一生の仕事として選ぶに足るだけの待遇を実現できる報酬の実現を強く望む。また、『健常者』が生育のなかで障害当事者と時間や場所を共有する機会が極端に少ない中で支援者という仕事がイメージしにくいのは当然であることを考えると、インクルーシブ教育のような長いスパンでの取り組みも欠かせない。

@5-1 就労について
日中事業所には就労先でネガティブな体験を重ねた当事者が少なからず在籍している。就労の取り組みを進めることは必要であるが、企業風土の改善などの啓発の取り組みをきちんと進めることが肝要である。

@5-3 日中活動について
日中活動の場は単に日中活動を支援するだけではなく家族支援や後見的な働きなど様々な役割を担っているが、支援費以降の単価制の導入によって『単なる日中活動の場』という性質が強くなっている。当事者が長い時間を過ごし密接なかかわりを持つ場であることを踏まえ、基本費のような考え方を導入することで質の高い支援を担保できるのではないか。地域活動支援センター作業所型についてはすでにこの考え方が導入されていることで小規模で個別にニーズに即した活動をしながらある程度安定的に運営することを実現している。個別給付への移行を選ばない積極的な理由があることを理解されたい。
なお、この項目は素案冊子では5-2と記載されているが5-3の誤りである。

@5-4 移動支援について
移動支援は就労・日中活動・余暇だけではなく発達や社会参加全体にかかわる大きなテーマであり、この構成の中でこの項目として位置付けてしまうのは不自然である。むしろ相談などとともに独立したテーマとすべきではないか。そのうえで、ガイドヘルパーにおける通学通所の単価問題、行動援護の事業所の少なさなど課題が多数あり、根底には単価制で支援を組み立てることにそもそもの無理がある。移動支援のみの問題ではないが、どんなに精緻な制度設計をしても担い手がいなければ画餅である。

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