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ニュース [時事]

非常に悲しいニュースを目にしました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/87b010a29b8640f85822d9f898597f85d2bd81db?page=1

重い知的障害がある我が子の将来を悲観した母親が我が子に手をかけ、その後自らも命を断とうとした、というニュースです。判決では情状酌量から執行猶予がついたとか。

記事を読むと、お母さんが大変だったのか、どれだけ苦労したのか、どれだけ頑張ったのか、痛いほどに伝わってきます。我が子に手をかけ自らも命をたとうとして果たせなかった、その思いは察するに余りあるし、記事のなかでも繰り返し触れられています。

けれど一方で、殺されてしまったりゅうさんの心情や無念さにはほとんど触れられていません。そのことに強い違和感と恐怖を覚えます。記事の中に【「おなかがすいた」「のどがかわいた」という欲求や便意をうまく伝えられず、入浴も介助が必要。目を離した隙に車道に飛び出したり、家庭内で暴れて物を壊したりすることもあった。発達年齢は2~3歳とされた】とか【風呂上がりの際、長男が衝動的に服を破いたり、女性を後ろから抱えて放り投げようとしたりした】とかの描写がありますが、そこにどんな意味がこもっているのでしょうか。穿った見方かもしれませんが、お母さん自身が心身ともに困窮し果てていた、そして息子はこんなに大変な状態だった、だから殺してしまったのもやむを得ない、という風に受け止められます。それは主語を置き換えれば重度障害者は殺されてもやむを得ないということで、そのまま津久井やまゆり園事件まで地続きです。生存のための基本的な欲求をうまく表現するための方法すら与えられず、自らの思いを周りからは受け止められ難い形でしか表出できなかった彼の人生が17年で絶たれてしまったことに対する哀惜は、この記事にも関連するほかの記事にもついに見つけることができませんでした。横浜で同様の事件があって周りから減刑の嘆願の声が上がったときに脳性麻痺の当事者団体が苛烈に抗議したのはいまから50年も前のことです。50年もの間、われわれはいったい何をしていたのでしょう。

なんというか、この記事に出てくる全ての人や機関やこの記事に出てこないすべての社会の構成要素全てが執行猶予付きの有罪ということなのだろうと思います。わたくしもあなたも含めて。そう思います。どうすればよかったのか。自分ならなにができたのか。できなかったのか。考え続けるしかないです。


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